本書の基本情報
基本情報
タイトル:世界のニュースを日本人は何も知らない2 – 未曽有の危機の大狂乱 –
著者:谷本真由美
発売日(書籍): 2020/12/9
本の概要
本書の内容をamazon.co.jpより引用
各国のヤバすぎるコロナ対応、広がる東アジア人差別、世界は「自己中」だらけ、誘拐多発の先進国etc.今回も日本で報道されない世界の真実を網羅!
谷本真由美『 世界のニュースを日本人は何も知らない2 』「BOOK」データベースより
著者略歴
本書の著者をamazon.co.jpより引用
谷本/真由美
著述家。元国連職員。1975年、神奈川県生まれ。シラキュース大学大学院にて国際関係論および情報管理学修士を取得。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験がある。ツイッター上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いツイートで好評を博する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない2』「BOOK著者紹介情報」より
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種類 | 発売 | 管理人インプット |
書籍 | あり | |
Kindle | あり | |
Audible | なし | |
audiobook.jp | あり | ○ |
個人的なメモ
ざっくりとどんな本か(主観)
元国連職員の谷本氏(Twitter上では”めいろま”(@May_Roma)名義で知られる)が、日本で報道されないニュースを紹介し、谷本氏目線でぶったぎる本。
第1弾の「世界のニュースを日本人は何も知らない」では「日本のヤバさ」を伝えていたが、第2弾の本書では、「世界各国のヤバさ」を伝えている。どちらかというと、前回は「日本下げ」の本で、今回は「日本上げ」の本という印象。
いずれにしても、谷本氏は主観で全てを語っているのではなく、ニュースや実際に起こった経験から述べているので一定の説得力がある。
メモ
・本書を読むことで、「メディアは、事実かどうかよりも、目立つか、視聴率がとれるかを重視した報道をすること」を、改めて認識されられます。
・日本は成り上がりやすい国(あくまで相対として)
*子供が親世代の階層を越える割合別のランキング
1位はキプロス
6位は日本
理由
・公的教育レベルが高く、起業が安価
・職業差別や階層差別が少ない
・這い上がってきた人への差別がほとんどない
↓
アメリカなど、世界の格差は日本より断然大きい
第6章より
・海外
個人主義=自己中な人が多い
↓
アメリカとイギリスは失敗に厳しい。だから、すぐに謝罪しない。謝罪する気がないので、イケイケどんどんでやる。
よく言えば個人主義、悪く言えばわがまま
第3章より
・海外、特にイギリスは「過去主義、実証主義、データ主義」
プラス面もあるが、マイナス面もある。コロナ対応では、「マスクが有効なデータがない」ため、マスク推奨が遅れた
↓
未知のものへの対応は、「過去主義、実証主義、データ主義」がマイナスに働くこともある。
・英語圏では「マスクをしている人はやばい人。口元を隠すとヤバい人=悪役や異常な行動をする人」という印象だったとのこと。
なぜ?英語圏は相手の口元を見て判断しているから。口元の動きで感情や意図を汲み取る。口元を隠す=自分の本心を隠す=不気味
↓
だからイギリスやアメリカではマスク嫌いで、コロナでもマスクをつけるのが遅かった。
↓
コロナ後であっても、「口元を隠すことは英語圏でどんな意味になるか」は知っておいて損はない
・「おわりに」にて、筆者の主張が書かれている
幸運なことに、今我々の手元には、スマートフォンという革命的な発明があり、インターネットで世界中から情報を得ることが可能です。
30年前や40年前とは異なり、コストはただに近いのです。
大事なのは、そういった情報を得るためのスキルやアンテナを、日々磨いておかなければないないということです。
普段から日本のテレビや新聞に接していただけでは、世界中の情報にふれることはできないし、「何を取捨選択するか」という感覚も磨かれません。
ご自分やご家族を守りたければ、様々な世界の情報にふれ、国際感覚を磨いていただきたいと考えています。
おわりにより
感想
個人的な感想です。長い場合があるので、興味がある方は開いてみてください。
『ノマドと社畜』などを記した谷本氏の著書からすると、本書はだいぶマイルドに書かれている印象です。内容は薄いわけではなくむしろ濃いですが、表現は以前よりも優しくなっている印象です。
本書では「世界から見た日本、メディアが伝えない世界と日本の現状」が分かるかもしれません。
基本的には、世界各国の痛いところをバッサリ切っているので爽快です。
また、「日本のメディアが海外の良いところばかり報道する」点を、きっちり批判することも忘れていない点が本書の好きな点です。日本の良いところ、悪いところの両方を浮き彫りにしてくれています。
日本のメディアでは「海外はこう凄い!」「日本のここが素晴らしい!」というコンテンツを発信しますが、本書を読むと、物事の一面的な部分だけ捉えると偏った知識になると実感できます。
筆者は「世界のニュースを見よ」と指摘しており、そうなると、必然的に「英語でニュースを読む、聞く」必要があるとわかります。
英語だと少し抵抗がある人もいるかもしれませんが、慣れれば今後の大きな差になりそうです。
個人的には「TOEICで〇〇点とる!」のような目標よりも、「世界のニュースを英語で読め、裏を考えられるようになる」という目標の方が、有意義な知識を得られると推測します。
イギリスのヘンリー王子とメーガン妃の問題は興味深かったです。僕が想像しているより、大きな問題だと知れました。
エリザベス女王の発言の意訳(筆者のイギリス人夫の意訳)が紹介されているのがおもしろく、「これはヤバいな」と思いました。
ワレ、なにやっとんねん。ワイらの組をなめとんのか。
どう落とし前つけんじゃ、こら。何やお前、指詰めて落とし前つけんのか。
第5章より エリザベス女王の発言の意訳(筆者のイギリス人夫の意訳)
イギリスは日本の京都のように、建前の裏に本音が隠されているもの。イギリスの王室問題は、表明上はそこまで大袈裟なものではないと思えても、僕が思った以上にまずい問題だと分かりました。
ちょうど2021年の9月末の日本では「眞子さまと小室さんの結婚」が話題です。アメリカ誌が「日本版ヘンリー王子&メーガン妃」と報道していたので、イギリスではどのような報道になるか気になります。
お気に入り度
本書を読みたい人、読んだ人へ
本書を読みたい人、読んだ人向けにメモしておきます。
予想していた内容との違い
- 世界のニュースから日本を批判する本だと思ったが、どちらかというと逆だった
- 思った以上に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する各国の政府や人々の行動」からいろいろなことが学べた
読むときに注意したいポイント
- 筆者は第3章の中で「感染症の専門家でも、文化人類学の専門家でもない。あくまで人々の生活を観察して感じたことにすぎない」と述べており、あくまで”絶対解”ではない点に注意
- 本書で紹介されている国別の印象を、全てに当てはめてはいけない。こういう傾向がある、程度に留めておいた方が賢明かも
- 「世界のニュースを知って、外国をもっと好きになりたい」と思っている人は読まない方がいい。どちらかというと、「ダメな部分」が主に紹介されている。ただ、日本以外の国を本当に好きになりたいなら、知っておくべき内容だと思って読むべき
関連本
谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない』
マイケル・サンデル (著), Michael J. Sandel (原著), 鬼澤 忍 (翻訳)『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』
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おわりに
めいろま氏名義の著書をいくつか読んだ僕からすると、少しテイストが違う本でおもしろかったです。
谷本氏の視点は切れ味鋭いですが、大事なのは、自分なりの各国評を開催していくことだろうと感じます。
まずは英語ニュースを読むことから始めます。
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