『独学大全』にハウツー本が売れ続ける理由が書かれていた件

読書・オーディオブック

『独学大全』は独学する方法を体系的に学べる本です。

しかし、「独学する方法」だけではなく、「方法」よりも大事なことも書かれていました。

その大事なこととは、「不要なハウツー本や商材にだまされないために、認識しておきたいメカニズム」です。

本書の序盤に書かれているため、読み流す人も多いのではと思い、記事にしました。

ハウツーを押し付ける勉強本はやりがい搾取ですか?に対する回答

まず、実際にその大事なことが書かれている箇所を引用します。

本書の序盤に登場する、「無知くん」と「親父さん」の会話からの抜粋です。

「無知くん」と「親父さん」は本書に登場する架空の人物のことです。2人の会話から本質的なことを学べます。

2人の会話はウィットに富んでおり、笑える場面もあります。

「無知くん」と「親父さん」の会話

無知くん

じゃあ、学ぶことに向けたなけなしのモチベーションを餌食にする、ハウツーを押し付ける勉強本はやりがい搾取ですか?

でも勉強のハウツー書がたくさん出版されるのは、それだけのニーズがあるからでしょ?

読書猿独力大全』無知くんと親父さんの対話より

親父さん

自分が勉強できない本当の理由なんて誰も知りたくないからだろう。「ひょっとしてやり方が悪いかも」と信じさせておけば、傷も浅くて済むし、何より新しい勉強本がまだ売れる。

中略

つまり、一方では「あなたのやり方・努力は間違ってる!」と脅し付け、もう一方では「○○だけすればいい」と安易な道へそそのかす。

その先には著者が主導する高額なセミナーなんかが待ち構えているという仕掛けだな。面倒くささから逃げたい連中に、言い訳を提供することで金をむしりとってるんだ。

読書猿『独力大全』無知くんと親父さんの対話より

無知くん

「身も蓋も」どころか、立っている地面までなくなりそうです。

読書猿『独力大全』無知くんと親父さんの対話より

「ぐぅの音」もでないような、本質的なことが書かれていましたね。

この一連の会話では「不要なハウツー本や商材にだまされないために、認識しておきたいメカニズム」を説明してくれています。

別の見方をすると、「ハウツー本が売れ続ける理由」と言えるでしょう。

僕はこの文章を読んだだけで、この本の元を取ったと思いました。

「言い訳を与える」という視点

もう少し掘り下げて考えてみます。親父さんの見解を簡単にまとめると、こうなるでしょう。

読者、受け手に「ひょっとしてやり方が悪いかも」と思わせる。信じさせる

一方では「あなたのやり方・努力は間違ってる!」と恐怖感を煽る

その一方で「○○だけすればいい」と安易な方法を示す

学ぶ、体験するための高額なセミナーや商材を勧める

この流れのことを総じて

面倒くささから逃げたい連中に、言い訳を提供することで金をむしりとってるんだ。

読書猿『独力大全』無知くんと親父さんの対話より

とまとめています。

ここで注目したいのは「言い訳を与える」という箇所です。

売り手視点では「言い訳を与える」が常套手段

勉強本や方法論を紹介する様々な本や商材には、「あなたは悪くないよ。やり方が間違っていただけだよ」という言い訳を提示します。

「売りたい側」や「行動してもらいたい側」からすると、「言い訳を提供すること」は常套手段なわけです。

この方法は、相手の心理を利用するという意味で有効です。相手に安心してもらい、共感を得ることができます。

もちろん、過度に煽ることは問題です。法律に違反する表現は論外ですし、倫理感が問われる部分でもあります。

買い手視点では「言い訳を与えられた」ことに甘えてはいけない

逆に買い手側はや情報の受け手は、この「言い訳」に溺れてはいけないことが分かります。

もちろん、言い訳を用意してくれる人や情報はありがたい存在です。「あなたは悪くないよ。やり方が間違っていただけだよ」と語られると、どうしても甘えたくなります。

でも、その言葉に甘え続けるといずれ続けられなくなり、忘れたころに似たような誘いにハマってしまいます。

そして、無意識のうちに再びお金を払ってしまうかもしれません。

面倒くささから逃げたい連中に、言い訳を提供することで金をむしりとってるんだ。

『独力大全』無知くんと親父さんの対話より

「言い訳」の対価は高くつく。このことは覚えておきたい点です。

煽っていないように見える文章の裏には、「買ってね、行動してね」というメッセージが隠されていることもあります。

買い手側は売り手側のポジショントークを見抜いた上で、その情報や商品の価値を判断すべきでしょう。

「方法」よりも「何を学ぶか」、「何を学ぶか」よりも「続けられるか」が大事

ちなみに、本書ではこの会話に続きがあります。

親父さん

どれほど効果があるやり方も、持続可能でなければ何の意味もない。

またろくでもないものを効率的に学んでも、余計害があるだけだ。

つまり影響の大きさで言えば、「どのように学ぶか」よりも「何を学ぶか」が大事だし、「何を学ぶか」よりも「学び続けるか否か」の方が重大だという話だ。

だから、この本も、そういう順番で書いてある。

読書猿『独力大全』無知くんと親父さんの対話より

この言葉からは、

面倒くささから逃げたい連中に、言い訳を提供することで金をむしりとってるんだ。

『独力大全』無知くんと親父さんの対話より

に対する、親父さんからの「対策方針」だと思えます。

「学び続けるか否か」> 「何を学ぶか」 > 「どのように学ぶか」

本書の序盤には、学び続けるための心構えや方法論が書かれています。

正直、決して楽に実践できるものばかりではないです。でも、面倒くさいものだからこそ、読んで実践する価値があると思います。

あなたは悪くない『独学大全』を読めばいい

最後にメッセージをお伝えして終わります。この文章をどう捉えるかはあなた次第です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

あなたの今までの勉強方法や学習方法は、求めた効果があったでしょうか。決してそうではないケースもあるはずです。

あなたが悪いわけではありません。「これさえ読めば・これさえやれば」という「言い訳」を手にしてきたからです。効果がでないのは「等価交換」とも捉えることもできます。

でも、安心してください。『独学大全』を読めば、「安易な道」はないと知り、「すぐに・簡単に・結果がでる」のような方法は存在しないことが理解できるでしょう。

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