投資ブロガー界で有名な穂高唯希氏(元三菱サラリーマン)が、ついに本を執筆したので、早速読んでみました。
私は投資を続けるために大切な3つのことを学びました。
その3つをネタバレすると
学び①利回りよりも入金力が重要
学び②外部環境に関わらずに自分にとって心地よい仕組みづくりが重要
学び③FIRE生活を達成した先の夢や目標を強く意識する
というものです。
この記事では、その1つ1つを詳しくご紹介したいと思います。
本書および、この記事をオススメするのは次のような人です。
- 著者がどうやってFIRE(セミリタイア)したかを知りたい
- ブログの中の人(穂高氏=三菱サラリーマン)をもっと知りたい
- セミリタイアで人生を豊かにするためのモチベーションをあげたい
なぜ著者は30歳という若さでセミリタイアを達成できたのか、その秘密が分かるはずです。
なぜ?と思いながら読むと良いと思います。
*具体的な投資手法は実際に本書でご確認ください
本書の概要と著者紹介
本書から学んだ3つのことをお伝えする前に、本書の内容と著者について説明させてください。
前提知識があったほうが、より理解しやすいと思います。
本書の概要
本書の主な内容を私なりに解釈すると、
- 著者がどうやってセミリタイア(FIRE生活)を達成したのか、その投資手法および資産形方法
- それらを達成するための心構えやマインド、知っておくべきこと
- ご本人の生き方、達成後のライフスタイルについて
のようになります。
ご本人は、本書の内容についてこう語っています。
「その好きな方法・自分にとって心地よい投資対象を見つける際には、大きく外さないために知っておくべきこと」があるのも事実と思います。
ゆえに、投資手法を考える際にも役立つと思しき内容と、私が至った背景も記したつもりです。
そして、時事的な事象など短期的な観点ではなく、一定の普遍性があることにもページを割くようにもしています。結局、それが長期投資に資すると思うからです。
ご本人の記事「拙著「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」に込めたこと」より
このように、本書には投資の基本となるべき心構えや考え方が載っています。
著者の紹介~穂高氏=元三菱サラリーマン~
次に著者である穂高唯希氏について紹介します。
穂高氏は、2019年の10月に30歳という若さでセミリタイアを達成したすごい人です。
穂高氏(=三菱サラリーマン)は有名ブロガー
独立するまで、元三菱系の企業に勤めていました。
また、セミリタイアされるまでのご自身のペンネームを「三菱サラリーマン」と名乗っておられました。現在は穂高唯希として活動されています。
そんな彼のブログ「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみた」は、投資家の間では有名です。本書によると、
ブログ訪問者は日々1万人を超え、テレビやメディアで取り上げられるようになりました
本署はじめにより
ということです。
「三菱サラリーマン」を名乗って活動していたTwitterおよびブログがあまりに有名になってしまっため、
穂高唯希氏=三菱サラリーマン
という印象が強い方がいるかもしれません。
僕はまだ「三菱サラリーマン」さんというイメージが強いです。
穂高氏の投資手法
穂高氏は、高配当株で買い続けるというシンプルな投資法でセミリタイアを達成しました。
当時(2019)は30歳で、約7,000万円の資産を入社してから7年半という脅威のスピードでした。
この方法については、本書では以下のように語れています。
「給与の大部分を投資に回すこと」と「支出の最適化(節約)」を両輪として、優良と判断した高配当株・連続増配株に資金をひたすら投下しつづけました
筆者のストイックさを表す代表的なツイート
そんな穂高氏の代表的なツイートは以下でしょう。
収入の80%を投資に回すということが、まず凄いです。
そして、毎月の給料日近くになると、このツイートを再度リツイートしたりコメントを行うことで、周りの投資家へ好影響も与えました。
この言葉は本書でもとり挙げられており、彼を代表する言葉だと思います。
このように、彼の特徴は、なんといってもそのストイックさ。収入の80%を投資に回すという鬼の意志と行動力を持ちあわせています。
でも、周りにからみればストイックに見える行動ですが、ご本人は無理なくやり続けてこられたように見えます。
その理由は、本書に書かれています。
ご本人が提示されている
外部環境に関わらずに自分にとって心地よい仕組みづくり
を実践しているため、無理なく続けてこられたと推測できます。
もちろん、ご本人の確固たる想いと意志があったのは言うまでもないありません。
本書では、これらの穂高氏の人間性についても詳しく書かれています。
本書のタイトルの「FIRE」って何?
次に、この本のタイトルにある「FIRE」とは何かをおさらいします。
FIRE とは( Financial Independence, Retire Early )の略称のことで、経済的独立と早期退職のことです。
会社をクビになる「Fire」とは全く違う意味なのでご注意ください。
このFIREという言葉は、ムーブメントという言葉と合わせて「FIREムーブメント」と呼ばれています。
著者は本書の中で
米国で示されるFIRE達成方法は「収入を増やし、支出を削減し、貯蓄率を高めること」が根幹
本書Chapter1より
と述べています。
学び①利回りよりも入金力が重要
ここから、本書から学んだ「投資を続けるための3つのこと」を紹介します。
まずは、「利回りよりも入金力が大事」だということです。
資産形成=(収入ー 支出)+ (資産×利回り)
まず資産形成の公式をおさらします。その公式は以下です。
(収入ー 支出)+ (資産×利回り)
この公式から考えると、資産をふやすための方法は次の3つになります。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 利回りを上げる
入金力とはフリーキャッシュフロー(収入ー 支出)に依存する
彼は資産を増やすための方法として、「入金力を上げる」ことを説いています。
ここで言う入金力とは、高配当株を購入するために「証券会社の口座」へ入金する能力のことです。
サラリーマンにとっての「入金力=入金額」ですが、これは毎月の「フリーキャッシュフロー(収入ー 支出)」に依存します。
フリーキャッシュフローとは、自由に使うことができるお金のことです。つまり、いくら手元にお金が残るのかが影響するのです。
では次の3つのうち、どこからアプローチすればいいのでしょうか。
穂高氏は第一に「支出を最適化すること=節約すること」をオススメしています。
その理由は、「自分にコントロールできる領域かどうか」という基準からです。
まず「1.収入を上げる」は、サラリーマンの場合、給料を上げるということになります。これはそう簡単ではありません。
会社員が給料を上げることは激ムズです。
次に「3.利回りを上げる」については、穂高氏は以下のように述べています。
・相場という外部環境や、銘柄に対する目利き力や企業分析力など、当人の力量に強く影響をうける
・運用利回りを上げることに再現性を見出すことは難しい
本署Chapter2より
これらのことから、自分でコントロールできる領域が大きい「支出を下げること」を著者はオススメしています。
節約ではなく支出の最適化
この「支出下げること」という行為については、著者は「節約」という言葉は使いたくないと言います。
その代わり、「節約」という言葉ではなく、「支出の最適化」という言葉を利用しています。
その理由について、次のように語っています。
「節約」という言葉が、どうもしっくりきません。節約ってどうもケチ臭くないですか(笑)
・・・中略
そもそも節約というのは決して「自分の将来性を狭める行為ではありません。むしろ自分の将来可能性までのロードマップを適切に踏んでいく上で必要な作業です。
この、本来前向きな行動である節約に、さらに前向きなイメージを持たすべく、「最適化」というワードの方がしっくりきます。
本書 Chapter2より
確かに「支出の最適化」の方が前向きで、積極的に行動しているように感じますね。
具体的な「支出の最適化」の方法として、穂高氏が実践した次の15個の方法が紹介されています。
- ペットボトル飲料を買わず、飲み物を持参
- たばこを買わず、たばこ株を買え
- 飲み物は白湯でOK
- デートは、公園で手作り弁当ピクニック
- 書籍は図書館利用(新刊は予約)
- 会社の飲み会は必要最低限
- 株主優待を活用すべし
- 散髪はセルフカットか、1,000円カット
- 携帯は格安SIM
- プールやジムは公共施設を利用
- コンビニでの買い物は避けよ
- 買い物カートは使わない
- 支払いは現金ではなくクレカで
- 保険には入らない
- 階段は資源
このように、すぐにできるものから、なかなか難しいなと思うことまで様々な方法が紹介されています。
上記の15個の方法は、全て穂高氏が実践していることなので、彼のストイックさがよく伝わってきますね。
でも、これを全部やれと言われたら辛すぎます。
実行できる穂高氏は単純に凄いです。
15個の方法の詳細を知りたい方は、本書でご確認ください。穂高氏の考え方や、その効果について理解できると思います。
三菱サラリーマンは入金力がすごい
そんな穂高氏=三菱サラリーマンは、この入金が圧倒的に高いです。
その理由は次の通りです。
- ①三菱系企業のサラリーマンは高給
- ②配当金の再投資
- ③圧倒的な支出の削減
- プラスα:ブログ収入
①三菱系企業のサラリーマンは高給
まずサラリーマンとしての収入が高いです。というのも、三菱系企業のサラリーマンは給料が高いことで有名だからです。
穂高氏の年収も、1,000万円近くあったとされています。
入金力は、手元に残るキャッシュフロー(収入ー支出)に依存しますから、この収入が大きいことはかなりプラスです。
もちろん、穂高氏が三菱系企業でバリバリ働けるハイスペックな人だからこそです。
高い給料というのは収入の大きな柱になっていたでしょう。
②配当金の再投資
穂高氏は配当金を再投資しています。これにより入金力が上がります。
配当金をもらうと「使いたいな」と思うかもしれませんが、これを使わずに再投資することで、資産の増加速度が上がるのです。
③圧倒的な支出の削減
支出の削減の徹底ぶりが凄いです。
先ほど説明した15個の支出最適化の方法から見ても、無駄なお金を一切使わない生活をしていたことが分かります。
この圧倒的な支出の削減があってこそ「給与の8割を投資に回す」ということができたのだと思います。
プラスα:ブログ収入
あまり語られていませんが、穂高氏のブログ「三菱サラリーマンがセミリタイアを目指してみた」からの広告収入も多少あったと推測されます。
こちらの収入も、プラスアルファとして入金力に影響があったでしょう。
このブログでは日々1万人が読むとのことから、月に数万から数十万円以上の収入はあったのではないでしょうか。
資産が少ないうちは利回りよりも入金力をあげよ
①の学びをまとめます。資産が少ないうちは、「利回り」よりも「入金力」を上げたほうが良いということです。
その理由は、利回りは「自分にコントロールできる領域かどうか」という基準において、コントロールしにくい部分があるからです。
資産形成は
「(収入ー支出)+ (資産×利回り)」
で求まります。
入金力は(収入ー支出)の部分が関わるので、資産が少ないうちは、こちらに注力した方が良いですね。
こちらの方が手っ取り早く資産を増やせることを、著者が証明してくれています。
利回りよりも入金力が大事
学び②外部環境に関わらずに自分にとって心地よい仕組みづくりが重要
自分に合った仕組み作りが大事
自分に合った投資手法や、無理のない資産形成方法を見つけることが大切だと学びました。
ここでいう仕組みづくりとは、大きくいうと、自分が達成したい目的に合わせた行動をするというものです。
例えば穂高氏であれば、配当金による収入に重きを置き、入金力を高めて毎月高配当株を買い続けたということです。
これを続ければ、毎月の配当金は増え続けるという仕組みです(減配などのリスクもありますが)。
この自分に合った仕組みを見つけることが重要だと著者は言います。
その理由を
いくら理論的にベストであろうとも、長期的に継続できなければ絵に描いた餅になります
と語っています。
その根拠として、著者は以下の4つは全く別物であるという点を指摘しています。
- 理論的にベストだと思われること
- 理論を長期的に実践できるか
- それが自分にとって心地よいのか
- それが自分に合っているのか
つまり、理論と実践は別ということですね。
実際に穂高氏は本書の中で、
長期的に物事を継続するための決定的に重要なことは、外部環境に関わらずに自分にとって心地よい仕組みづくりができているのか
だと主張しています。この点は私も非常に共感します。
投資で大成功した本多静六博士(林学博士、投資家)も彼の著書「私の財産告白」の中でこう言っています。
金儲けは理屈でなくて、実際である。
本多静六『私の財産告白』より
計画でなくて、努力である。
予算でなくて、結果である。
その秘伝はとなると、やっぱり根本的な心構えの問題となる。
特に「理屈ではなくて、実際である」という部分は注目です。
穂高氏の言う「いくら理論的にベストであろうとも、長期的に継続できなければ絵に描いた餅になります」という主張と共通しますね。
本多静六さんの本は10回以上読んだ大好きな本です。
著者が愚直に実践できた背景には、彼の「生き様」があった
このように著者がストイックに行動できたその背景には、彼の生き様や思いがありました。
本書に詳しく書かれていますが、その一部を紹介します。
幼い頃からの死生観
穂高氏は幼いころ(2歳)の時にお父様を亡くされています。このことが穂高氏の生き方に強く影響しています。
本書では
社会で一般的とされる社会通念にとらわれず、1度きりの人生、自分が思うままに自由に生きよう
本書 Chapter1
という信条があると述べています。
北京大学留学で「正解」とは何かに疑問を持つ
また、北京大学に留学した経験も、彼の生き方に強く影響しています。
著者は慶応大学在学時に北京大学へ留学しています。
その際に、「日本で正しいとされていることは、必ずしも正しくないんだ」という気付きから
「正しい」とは果たして何だろうか、「正解」とは果たして何だろうか、
本書 Chapter1より
と考えるようになったと言います。
このことから、著者は「周りの常識」に振り回されず、自分にとっての「正解」を貫けたのだと思います。
自由な生き方(FIRE)が日本でもできることを証明したかった
著者の行動の裏には
自由な生き方が日本でもできることを証明したかった
本書 Chaputer5より
という思いがありました。
そのため、彼の投資方法は「再現性」にこだわっているとのことです。
私は、彼の行動により実際に証明できていると思いますし、多くセミリタイアを目指すサラリーマンを勇気づけたと思います。
学び③FIRE生活を達成した先の夢や目標を強く意識する
経済的自由を達成した先に、夢や希望はあるか
穂高氏は「資産形成は目的ではなく手段」だと強く主張しています。
そのこころは、
経済的な自由(資産形成)を達成した後に、どうしたいかが重要
だからでしょう。
あくまで資産形成は何かをするための手段にすぎないということです。
では、なぜ「達成後」の夢や目標が大事なのでしょうか。まずは「とりあえず達成する」という目標ではダメなのでしょうか。
これについて、穂高氏は明確な答えを持っているようにみえます。
「仕事を辞めたらダメ人間になる」のではなく、「目標や夢・生きがいもなく、現状維持に甘んじるような生活は、日常に張り合いがなくなる」
と述べているからです。
続けて彼は、
人生の原動力は「挑戦すること」
と記載しています。FIRE生活に至るまでの根本の思いには、
何時に起き、何時にどこに行き、何時まで何をし、何時に帰り、そもそもどこにすむのか。これらをすべて自分で決めたかった
と述べています。そして、それを達成した今は
経済的自由を手に入れてもらうお手伝いをする
と新たな挑戦をしたいと言います。
このように、「経済的自由を達成した後に何がしたいかを考えること」が大事だということです。
意外に忘れがちな視点です。
そもそもどうしたいのかを、じっくり考えるのが大事ですね。
夢や目標を見つける方法:自分自身との対話をし、内なる声を傾聴する
ではどのようにFIRE達成後の夢や目標を見つければいいのでしょうか。
穂高氏は「自分自身と対話すること」と説いています。
自分が心の底から何を欲し、どのような状態であれば幸せと感じるのか、これをとことん自分で掘り下げることです。
と主張しています。
具体的には、
・自分の内なる声(本当にしたいこと)に耳を傾けること
・自分がしたいこと、夢、目標、挑戦したいことは何だろう
と自分自身に問いかけることだと言います。
これらを問い続けることで、自分の夢や目標が明確になり、自分自身の投資スタイルや資産形成の方法が自ずとみえてくるのでしょう。
穂高氏がここまでストイックに自分の投資手法を守り続け、実際に成功できた要員は、
自身の夢や目標を明確にし、それを強く意識してきたから
こそだと思います。
本書の読み方と注意点:初心者にはボリューム満点の内容!できるところからやるべき
本書のオススメの読み方
本書の読み方は、投資初心者と投資中級者以上で異なってくると思います。
その初心者か中級者以上かの定義はあいまいですが、今回は以下で考えました。
- 投資初心者・・・投資をはじめたことがない、または投資をはじめてまもない人
- 投資中級者以上・・・投資を始めて1年以上
投資初心者のオススメの読み方
投資の初心者の方は、本書を一度で理解しようとすることはオススメしません。
それよりも、全体的に概要を掴めるように読むと良いと思います。
具体的には次のような手順です。
- ノウハウよりも彼のマインド、方針をざっくり掴む
- 詳細なノウハウを知るために、具体的な用語を調べながら読む
- 著者のブログを読む
- 本書を読み直して具体的な投資手法を検討
投資中級者以上のオススメの読み方
投資中級者以上の方は、「モチベーションを上げる」ために読むと良いのではないかと思います。
- 本書を読んでモチベーションを上げる(セミリタイアを目指す人)
- 本書を読んで自分の投資スタイル、投資の目的を見直す
もちろん投資手法を学ぶことは有益ですが、中級者以上の方にとって真新しいものではないかもしれません。
しかし、注目したいのは、その手法ではなく、それをどうやって継続したかという著者の考え方行動の方です。
著者の穂高氏のストイックさと行動力は、かなり刺激になるでしよう。
何よりも、FRIE(セミリタイア)を実際に達成した人の考え方や行動履歴を読むこすとで、
「私にもできる!もっと頑張ろう!」
と思えるはずです。
また、読みながらご自身の投資目的や手法を振り返ることもプラスだと思います。
本書を読む上での注意点
初心者は専門用語を調べながら読む必要
本書には投資の専門用語がたくさんでてきます。
- 日本株
- 米国株
- ETF
- NISA
これらについて丁寧に説明してくれていますが、投資を何も知らない投資初心者にとっては、なかなかイメージがしづらいと思います。
そのため、これらの用語や彼の手法について、気になったものは自分自身で調べることが必要です。
調べることで、彼の主張がより理解できるでしょう。
または、「本書を何度も読み直す」ことで、理解を深めることもありだと思います。
自分自身で考えて読む
1番注意したいことは、「著者のやり方=正解」だと思いこまないということです。
穂高氏自身も「正解を疑え」と本書では語っており、自分自身はどうするかを考えることが大切です。
もちろん、今回紹介したような「投資を続けるための大切な3つのこと」は大いに参考にしていただきたいです。
しかし、それを具体的な手法に落とし込む段階では、自分自身で考えて判断していく必要があります。
自らの頭で考えた上で、彼の手法が合っていると思えばとりいれるといいでしょう。
鵜呑みにするのはダメ!
自分の頭で考えること。
本書のちょっと違った楽しみ方~著者が使う言葉がおもしろくてセンスある~
著者のブログが有名になった理由はたくさんあると思いますが、その一つには、「彼の文章は単純におもしろい」ということが挙げられると思います。
例えば、使う言葉の定義がおもしろくてセンスがあるということです。
ここに注目して本書を読むこともおもしろいと思います。
読み物としてもおもしろい
以下に、そのセンスある言葉を挙げます。
豚舎
著者は会社のことを豚舎と呼んでいます。おもしろいですね。
なぜそう呼ぶのか。その理由を
型にはまった言動が評価される社会への息苦しさは強くなる一方で、いつしか私には会社が「豚舎」に見えてくるようになったのです。
本書 Chapter1より
と述べています。
しかも、ブログの*ドメイン名が「freetonsha」という名前であることも興味深いです。
著者のブログ→「https://freetonsha.com/」
つまり、「free=解放」「tonsha=豚舎(会社)」というこの2つのワードで「豚舎からの解放=セミリタイア」を意味しているのです。
非常にユニークで、インパクトがある言葉ですね。
*ドメイン:インターネット上の住所のようなもの
階段は資源
「階段は資源」という強烈な概念を著者は生み出しました。
穂高氏は、運動不足解消のためにジムを使うのはムダだと言います。会社に階段があれば、階段で自分のフロアまで登れば無料で運動、筋トレができるからです。
もちろん、その「階段」は会社でなくても、街中にあるものを利用してもいいそうです。
そして、階段を使わないことは機会損失だという解釈を紹介しています。
エレベーターやエスカレーターに乗るということは「目の前にあるエクササイズの機会(階段利用)を自ら放棄している」とも解釈できます。
本書 Chapter2より
このように、穂高氏は「階段は資源」と捉えています。
本書では「私が編み出した支出最適化15選」の15番目に出てきています。
「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」から学ぶ投資を続けるために大切な3つのことまとめ
投資を続けるために大切な3つのことまとめ
この記事のまとめです。
私から本書から学んだ「投資を続けるために大切な3つのこと」は次の3つです。
- 学び①利回りよりも入金力が重要
- 学び②外部環境に関わらずに自分にとって心地よい仕組みづくりが重要
- 学び③FIRE生活を達成した先の夢や目標を強く意識する
学び①利回りよりも入金力が重要
資産を増やすには、資産が少ないうちは入金力が重要です。
著者は、三菱系サラリーマンで高い給料を誇り、その8割を株購入に充てていました。それは圧倒的な支出の最適化(節約)があってこそです。
入金力を増やすために、支出を削ることの大切さを学びました。
学び②外部環境に関わらずに自分にとって心地よい仕組みづくりが重要
理論と実践は違います。自分に合った投資手法を見つけることが大切です。
効率の良い投資方法やリターンが高い資産形成方法を目指しがちですが、無理がある方法では続けることができません。
そのため穂高氏は、「外部環境に関わらず自分にとって心地よい仕組みづくり」が重要だということです。
学び③FIRE生活を達成した先の夢や目標を強く意識する
著者は「資産形成は目的ではなく手段」ということを主張しています。
経済的な自由(資産形成)を達成した後に、どうしたいかが重要だということです。
やりたいことや目標があってこそ、自分自身の投資手法が決まり、それを続けることができるのでしょう。
そのやりたいことを見つける方法として、穂高氏は「自分の内なる声を聞くこと」を紹介しています。
やり方をどうこうする前に、「強烈な思い」が大切だということを学びました。
著者の今後の活躍に期待
本書を読むことで、著者のパーソナルな部分を知ることができました。
もっと機械的に、苦行のように投資をしているのかと思いましたが、そうではありませんでした。
自分のルールを守りつつ、その生活を楽しんでいるようにも見えました。
そんな著者が、「サラリーマンでもFRIE生活を達成できる」ことを証明した功績は大きいと思います。
ぜひ、セミリタイアした後の活躍を期待したいと思います。
株でセミリタイアを達成した事例として、大変興味深く読むことができました。
自分の場合はどうするか?を考えながら読むと、気付きが得られると思います。
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